ホリショウのあれこれ文筆庫

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第491話 名古屋鉄道・引退車両を訪ねて

序文・お疲れ様の車両たちと対面

                               堀口尚次

 

 生まれも育ちも愛知県の私は、幼少の頃から名古屋鉄道〈地元では名鉄(めいてつ)と呼んでいます〉に慣れ親しんできました。今回は愛知県・岐阜県に点在する名鉄の引退車両が、静態保存されているところを訪ねた記録を記しました。

岐阜県谷汲線で活躍していた車両が、谷汲駅に「モ750形755号車510形514号車の二両が静態保存されています。父方の在所が岐阜県大野町だったので、谷汲線でこれらの車両に良く乗りました。新岐阜駅からしばらくの間は路面電車として運行していました。

岐阜県美濃町線で活躍していた車両が、旧美濃駅に「モ510形512号・モ600形601号、590形593号・モ870形876号〈この車両のみカットボディ〉」の4両が静態保存されています。旧駅舎前に美濃市出身の歌手、野口五郎が歌った「私鉄沿線」の歌碑が建てられています。

岐阜県JR岐阜駅の駅前広場に静態保存されている丸窓電車「510形513号」は、大正15年に作られ、2005年に名鉄路面電車が廃止されるまで街を走っていたものだそうです。同市の金(こがね)公園で展示・保存されていたものを同駅北口の芝生広場への移設したものです。

④愛知県豊田市鞍ヶ池公園にかつて豊田線での試験運転に使われていた「800形」が静態保存されています。これは名古屋鉄道から豊田市民に寄贈されたもので、昭和10年に制作された名古屋本線用では最古参の電車ということです。

⑤愛知県名古屋市緑区中京競馬場内にあるのは、名鉄の雄(ゆう)・パノラマカー中京競馬場で開催される特別競走に、名鉄が冠スポンサーとなっている「名鉄杯」があり、このレースの前にはパノラマカーのミュージック・フォーンをアレンジしたファンファーレが名古屋鉄道ブラスバンド部〈通称「名鉄ブラス」〉によって生演奏される。また敷地内には7000系の先頭車2両と中間車1両が静態保存されており、休憩室・喫茶室として利用可能であり、また時折運転室も公開されるはずだったが、私が訪ねた時はコロナ禍の影響で車両内には入れませんでした。

追記:南知多ビーチランドには、かつては名鉄で使用された車両(モ852-ク2352モ3501-ク2501モ583デキ201)が園内で静態保存され、前記4両は食堂として利用されていたが、海辺に近いために車体の傷みが進み、解体された。