ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第983話 タコメーターとレッドゾーン

序文・今や死語

                               堀口尚次

 

 タコメーターアメリカ英語、回転速度計〉は、機器において軸の回転数〈回転速度〉を指示する計器、測定器であり、回転計の一種。「タコメーター」はアメリカ英語: tachometerの日本語表記。tacho〈タコ〉とは速度を意味するギリシャ: τάχοςに由来する。

 エンジンにとって回転数は運転状況を左右する重要な要素である。回転数の変化によってエンジンのパワー、トルク、レスポンス等の特性は大きく変化してしまう。一般的にエンジンの出力効率が良好なのはパワーバンドと言われる回転数領域に限られ、この領域から外れた運転では十分な出力が得られなかったり、最悪の場合はエンジンが破損する場合もある〈特に極端な高回転の場合〉。

 タコメーターの文字盤には、エンジンの過回転域をで示してある場合が多く、この領域をレッドゾーンという

 レッドゾーンを指し示す状態でエンジンを回転させ続けると、エンジン内部の部品に過大な負荷をかけ、最悪の場合はエンジンブロー〈エンジンの破損〉に至る。具体的には、オーバーヒートの熱変形によるヘッドガスケットの吹き抜けや油膜切れ、ピストンの焼きつき、かじり、軸受けを含む各摺(しゅう)動部の抱きつき〈固着〉、折損したコンロッドによるシリンダーブロックの破壊〈脚を出す〉などが起こる。

 ECUによる電子制御エンジンなど、過回転によるエンジンの損傷を防ぐためにレブリミッターと呼ばれる過回転抑制のための機能が備わっている場合があるが、レブリミッターが作動する回転数は車種によって異なり、レッドゾーンに突入する回転数がレブリミッターの作動回転数と一致しているとも限らない〈車種によってはレッドゾーン始点から1,000 rpm 以上上がらないと作動しないものもある〉。

私見】私が運転免許とりたてのころは、変速機はミッションの車が大半で、それこそ「レッドゾーンまで引っ張ってやるぞ~!!」なんていきがっていたもんです。今やタコメーターは姿をけしてしまい、「レッドゾーン」はクルマのエンジン回転数以外の事で比喩的に使われることもありますね。