ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1062話 二礼二拍手一礼

序文・かしわで

                               堀口尚次

 

 二礼二拍手一礼は、日本の神社で用いられる拝礼作法で、まずお辞儀を二度行い、二度手を叩き拍手、最後にもう一度お辞儀を行うもの神社本庁伊勢神宮靖国神社などはこの種の参拝作法を二拝二拍手一拝と呼ぶ。二礼二拍手一礼という呼称は東京都神社庁や東京大神宮、報道機関などが用いている。なお、拝礼の作法は神社や地域によって特色があり、厳格な決まりはない。

 神社の参拝作法は時代ともに変化してきており、現在は二拝二拍手一拝が基本形になっているといわれる。二礼二拍手一礼は戦後に一般化した作法であり、神社によっては別の作法をとることもある。現在、多くの神社で二礼二拍手一礼を奨励する掲示があり、若い世代を中心に多くの参拝者がこれに従っている。

 二礼二拍手二礼〈または二拝二拍手一拝〉の作法は神社によって多少異なるが、例えば伊勢神宮は「参拝の作法〈二拝二拍手一拝〉」を次のように示している。

『神前に進み姿勢を正す。

背中を平らにし、腰を90度に折り、深いお辞儀を2回する。

両手を胸の高さで合わせ、右手を少し下にずらす。

両手を肩幅程度まで開き拍手を2回打つ。

ずらした指先をもとに戻し、深いお辞儀を1回する。』

 伊勢神宮によると、深いお辞儀を拝(はい)といい、手を打ち鳴らすことを拍手(はくしゅ)という。拝も拍手も古来から行われる敬礼作法であるというが、二拝二拍手一拝の由来については言及していない。神社本庁によると、参拝作法は長い間変化してきており、現在は二拝二拍手一拝が基本形となっているという。

 拍手とは手と手を打ち合わせることで、後世に間違って柏手と書いて「かしはで」と読んだ。拍手は、桓武天皇の時代まで元旦の儀式で用いていたが、その儀式に渤海人(ぼっかいひと)を陪席させるにあたって用いなかったことがあり、それ以来長くこれを廃するようになり、神事にしか用いなくなった。

 拍手(かしわで)とは、両手を合わせ、左右に開いた後に再び合わせる行為を指す。通常、手を再び合わせる際に音を出す。音を出す理由は、神への感謝や喜びを表すため、願いをかなえるために神を呼び出すため、邪気を祓うためといわれる。