序文・救急車の音はなぜ変わる
堀口尚次
ドップラー効果またはドップラーシフトとは、音波や電磁波などの波の発生源〈音源・光源など〉が移動したりその観測者が移動することにより、波の発生源と観測者との間に相対的な速度が存在するときに、波の周波数が実際とは異なる値として観測される現象をいう。
発生源が近付く場合には、波の振動が詰められて周波数が高くなり、逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて低くなる。有名な例としては、救急車が通り過ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかるときには低く聞こえる。音についてのこの現象は、古くから知られていたが、オーストリアの物理学者、クリスチャン・ドップラーが速度と周波数の間の数学的な関係式を1842年に見出し、オランダ人の化学者・気象学者であるクリストフ・ボイス・バロットが、1845年にオランダのユトレヒトで列車に乗ったトランペット奏者がGの音を吹き続け、それを絶対音感を持った音楽家が聞いて音程が変化することから証明を試みた。
スピード測定器は、運動する物体の速度の特定方向成分を測定する測定機器である。一般には、ディケイター・エレクトロニクスの商標であるスピードガンの名称で知られる。測定する物体に向けて電波を照射し、物体による反射波を測定する。物体が運動している時はドップラー効果によって反射波の周波数が変化するため、これと発射波の周波数を比較することにより、運動の速さを算出する。電波を利用して測定するため、対象物の運動が光速を超えない限り、理論的には計測が可能である。
速度違反自動取締器と呼ばれる自動で速度違反車の証拠写真を撮影するスピード測定器は、一般にはボーイングの商標であるオービスの名称で知られる。また、ヨーロッパでは従来の定点速度を計測するシステムではなく、2地点間の平均走行速度で取り締まる平均速度取締装置が2000年前後から導入されるようになった。
野球において、投手が投げるボールの速さを測定するために用いられ、専らスピードガンと呼ばれる。但し英語ではレーダーガンという。 空中線電力0.1W以下の適合表示無線装置を用いた無線標定陸上局または無線標定移動局であれば、操作に無線従事者は不要で誰でも使用できる。