ホリショウのあれこれ文筆庫

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第317話 名古屋瑞穂区・堀田界隈散策

序文・名古屋市内史跡巡り

                               堀口尚次

 

 4月20日名鉄堀田駅を下車し、その界隈を散策しました。いつものごとく、神社・祠・お寺・お堂・史跡などを訪ね歩きました。

 龍泉寺には、源頼朝の産湯の水を汲んだ井戸で「亀井水」いう史跡が残っていた。頼朝の母は熱田神宮の大宮司(だいぐうじ)の娘であり、頼朝が誕生したのは熱田神宮のそばである。熱田神宮がある名古屋市熱田区は、今回散策の瑞穂区の目と鼻の先だ。ちなみに頼朝の父・源義朝(よしとも)は愛知県知多半島で殺されており、愛知県は源氏の棟梁にとって縁故の地である。

 最経寺という日蓮宗の寺に、「最上(さいじょう)稲荷大明神」の幟(のぼり)が立ち、鳥居があることから違和感を覚え調べてみたら、最上稲荷〈伏見・豊川に並ぶ日本三大稲荷の一つとされることがある〉というのは、岡山県にある最上稲荷教の総本山であったものが、現在は日蓮宗になったということだった。

 白龍神社〈祠のみ〉の立札には、戦前にこの地域一帯は、灌漑用の池であったが、都市化によって埋め立てる際、村人の伝説となっていた「池の主・白龍大王」と呼ばれる『おろち〈大蛇〉』の魂を鎮めるために祭ったのが始まりだと書かれていた。名古屋市の中心部の住宅地が、かつては沼地であったことが偲ばれる。

 田光八幡社では、弘法七本楠の伝承があり、弘法大師が巡錫(じゅんしゃく)の砌(おり)にお手植えになったという由緒正しい楠が鎮座していた。根方には白蛇が棲んでいると伝えられている。

 大喜寺の本尊の大日如来は、熱田神宮本地仏(ほんじぶつ)といわれた秘仏であるという。本地仏とは、「日本の神様は仏教の仏様が姿をかえて現れた」とする考え方からきている。

 人口200万人の政令指定都市名古屋市だが、瑞穂区は住宅地であり、古くからの土地〈区画整理が行われていない〉も残っており、民家の裏路地など車が入れない道もまだまだ存在していた。

 今回の散策は、3時間15kmの行程になったが、陽ざしが強く暑かった。昼食は、ネットで事前に調べたラーメンの名店に入り、名物の塩ラーメンを堪能した。熱中症対策に水分補給が必要だが、見知らぬ土地でのトイレに困るので我慢した。日焼け対策で長袖シャツを着ていたので余計に暑かった。