序文・PFIは、さしずめ第四セクター?
堀口尚次
第三セクターとは、国や地方公共団体と民間が合同で出資・経営する企業。日本は、日本国政府または地方公共団体(第一セクター)が、民間企業(第二セクター)と共同出資により設立した法人を指す。多くは設立が比較的容易で、運営方式も自由な株式会社の形態を採る『半官半民』の中間的な形態。
また、第三セクターは法的に概念が規定されているわけではなく、株式会社・社団法人など、それぞれの法人形態に従った制度が適用される。
当初、日本国有鉄道およびJR各社の赤字ローカル線(特定地方交通線)を引き受ける事業主体としての第三セクター鉄道で知られるようになったが、それ以外にも大阪府都市開発(当時、現社名:泉北高速鉄道) など「民間活力の活用」というスローガンのもと、地域振興などを目的とした第三セクター会社が設立されており、1980年代後半以降は政策的に各地に広がった。
因みに私の地元愛知県の第三セクターの代表的なものでは、
1・愛知環状鉄道(旅客鉄道事業者) 愛知県、豊田氏、瀬戸市、岡崎市、トヨタ自動車など
2・中部国際空港連絡鉄道(鉄道施設の保有・貸付) 愛知県、名古屋市、岐阜県、三重県、名古屋鉄道、日本政策投資銀行など
3・豊田スタジアム (スタジアムの管理・運営) 豊田市、トヨタ自動車、デンソー、中部電力など
4・名古屋テレビ塔(テレビ塔の管理・運営)愛知県、名古屋市、名古屋鉄道、三菱UFJ銀行など
5・名古屋高速臨海鉄道・通称あおなみ線 (旅客鉄道事業者) 名古屋市、愛知県、東海旅客鉄道、日本政策投資銀行、中部電力など
全国では、社団法人・財団法人が3,228法人、会社法法人が2,694法人ある。
しかし第三セクターの現状は、債務超過で破綻が続出しており、公共施設の管理委託を受けている第三セクターも多いが、指定管理者制度の導入においても、住民のサービスの向上・低コスト化といった本質より、当面の処理として既存の委託先に第三セクターを選定した自治体も多く、行政改革が不十分な面がある。これとは別に、特別的会社を介するPFIという制度もある。PFIとは、公共サービスの提供に際して公共施設が必要な場合に、従来のように公共が直接施設を整備せずに民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねる手法である。事例として、役所・警察署・公園・病院・図書館などで、愛知県では「愛知県運転免許試験場」がある。