ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1474話 蓼食う虫も好き好き

序文・諺になった植物

                               堀口尚次

 

 蓼(たで)は、タデ科イヌタデ属の一部、より具体的にはサナエタデ節の総称である。かつてイヌタデ属などはタデ属にまとめられていたが、研究者により、現在ではそれらは約8属に分割される。全て草本で、陸地生のものは一年草だが、水生のものには地下茎を引く多年草もある。

 食用にするのは北半球に広く分布するヤナギタデ〈別名:真タデ〉で、特有の香りのある辛味を持ち薬味として用いられてきた。辛味成分はポリゴジアールで、消化促進、食べあたりの予防、抗菌効果やがん細胞の抑制効果が知られている。

 野菜としては、利用法により発芽した子葉である「芽タデ」と主に本葉である「笹タデ」に分けられる。また、葉の色によって「べニタデ」〈紅たで〉や「アオタデ」〈青たで〉に分けられる。ともに刺身のつまに用いられるが、一般に白身魚には「べニタデ」、赤身魚には「アオタデ」を用いる。

 調味料として葉をすりつぶしたものをりんご酢でのばした「タデ酢」がありアユの塩焼きなどに添えられる。また、葉をすりつぶしたものに味噌や味醂を加えたものは「タデ味噌」として白身魚に付けて焼く際に味付けに用いる。

 ことわざの「蓼食う虫も好き好きとは、大抵の動物は倦厭(けんえん)するが、他に草があるにも係わらず辛いを食べる虫も居るように、人の好みは様々で、一般的には理解しがたい場合もあるということ