ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第1598話 日本で最初に完成した集約電波塔

序文・名古屋のシンボル

                               堀口尚次

 

 名古屋テレビ塔は、愛知県名古屋市中区栄の久屋大通公園にある高さ180.0メートルの塔。名古屋テレビ塔株式会社が保有・運営する。国の重要文化財に指定されている。毎日、日没から22時までの間ライトアップされ、夜の名古屋を美しく彩っている。

 施設命名権ネーミングライツ〉の売却により、2021年5月1日から呼称を「中部電力 MIRAI TOWER」としている。昭和29年に開業し、日本で最初に完成した集約電波塔である。ただし平成28年7月以降は放送波の送信を行っていない。

 この電波塔は昭和28年9月19日、当時の町名であった栄町付近で着工された。現在建っている土地は当時の名古屋市助役だった田淵寿郎によって、復興のシンボルになるという理由で有償貸与されている。専門分野ごとで7社もの会社が担当し、昼夜を通して工事が行われただけでなく、建設許可の際、将来「塔の直下に地下鉄を通す」ことを条件に建設が進められたため、4つの脚はわずか深さ6メートル程までしか埋め込まれておらず、将来行われる直下での地下鉄工事に備えるために4本の脚を鉄筋コンクリートのアーチで結合して固め、重心を下げる「だるま式構造」と呼ばれる工事も行われている。

 昭和29年6月19日竣工。翌20日に開業し、電波の発射を開始した。設計者は内藤多仲名駅地区を中心に超高層ビルが乱立する中でも、通称「名古屋のテレビ塔」「栄のテレビ塔」また単に「テレビ塔」とも呼ばれ、名古屋市中心部のシンボルとして親しまれている。

 テレビ塔の建設費は、愛知県と名古屋市がそれぞれ2,000万円、名古屋鉄道などの名古屋の財界が4,000万円を出資している。さらにNHKが放送機材として4,000万円相当の鉄塔を現物で出資し、その方針に倣い中部日本放送〈現・CBCテレビ〉も同額で鉄塔を購入している。そのため、鉄塔にある展望台〈90メートル〉より上はNHK、それより下はCBCの持ち分になっている。

 開業以来、NHK名古屋放送局〈総合3ch・Eテレ9ch〉、CBCテレビ 〈5ch〉、東海テレビ放送 〈1ch〉、名古屋テレビ放送メーテレ/11ch〉のVHF4局5波がここから地上アナログテレビの電波を送信していた。いずれも平成23年7月24日をもって、アナログ放送の終了に伴い停波した。