ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

歴史

第901話 隻腕の加波山将軍

序文・過激な自由民権運動家 堀口尚次 鯉沼九八郎(こいぬまくはちろう)〈嘉永5年 - 大正13年〉は、栃木県の政治家で自由民権運動家。「隻腕(せきわん)の加波山(かばさん)将軍」の異名で知られる。 下野(しもつけ)国都賀(つが)郡稲葉村〈現・栃木県下都賀郡壬…

第899話 明治期の政府転覆未遂事件

序文・自由民権運動の嵐 堀口尚次 名古屋事件は、明治17年12月、加波山(かばさん)事件後解党していた旧自由党の党員が起こした政府転覆未遂事件。平田橋事件ともいわれる。 名古屋の自由党員の組織であった「公道協会」の会員らを中心として、軍資金調達のた…

第896話 大久保大和こと「近藤勇」

序文・新選組~甲州鎮部隊 堀口尚次 近藤勇、天保5年- 慶應4年は、江戸時代末期の武士。新選組局長。後に幕臣に取り立てられ、甲陽鎮撫隊隊長。勇は通称で、諱は昌宜(まさよし)。慶應4年からは大久保剛を名乗り、後にさらに大久保大和と改めた。 天保5年、武…

第895話 信長を諫めて自刃・平手政秀

序文・織田信長の教育係 堀口尚次 平手政秀は、戦国時代の武将。織田信秀、信長の2代に仕える。尾張国春日井郡にあった志賀城の城主。 織田信秀の重臣として主に外交面で活躍。茶道や和歌などに通じた文化人で、天文2年に尾張国を訪れた山科言継(ときつぐ)〈…

第894話 督姫と毒饅頭事件

序文・家康の次女 堀口尚次 督姫(とくひめ)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての女性。徳川家康の次女。母は家康の側室・西郡局(にしのこおりのつぼね)〈鵜殿氏の娘〉。実名はふう。別名は富子、播磨御前、良正院。 最初の政略結婚として、家康の命に…

第891話 天下の悪妻・日野富子

序文・足利将軍の正室 堀口尚次 日野富子〈永享12年 - 明応5年〉は、室町幕府の足利将軍家と縁戚関係を持っていた日野家の出身で、室町幕府後期から戦国時代前期の女性。室町幕府8代将軍・足利義政の正室〈御台所(みだいどころ)〉。父は蔵人右少弁・日野重政…

第884話 沓掛城と提灯山

序文・桶狭間の戦いの影で 堀口尚次 沓掛(くつかけ)城は、尾張国愛知郡沓掛、現在の愛知県豊明市沓掛町にあった日本の城。 沓掛の地は、北方の長久手・岩崎方面からの街道と鎌倉往還とが交差する場所にあり、交通の要衝といってよく、その抑えとして古くから…

第882話 新田開発と津金文左衛門

序文・瀬戸物の磁器開発にも尽力 堀口尚次 津金胤臣(つがねたねおみ)は、江戸時代中期の武士。一般的には津金文左衛門の名で知られる。 享保12年、尾張国名古屋〈現在の愛知県名古屋市東区平田町〉で、尾張藩士・津金胤忠の長子として生まれる。幼名は薪之丞…

第879話 旗本・戸田内蔵助光賢「時の太鼓」

序文・将軍お墨付き 堀口尚次 戸田光直〈明暦3年 - 享保元年〉は、江戸時代中期の旗本。北方戸田家初代。 美濃加納藩初代藩主・松平光重の三男。2代藩主松平光永の弟。正室は交代寄合・横田溝口家の溝口宣就の娘。子に戸田光言がいる。幼名は千代松、通称は…

第876話 関白・近衛前久の気概

序文・上杉謙信との盟約 堀口尚次 近衞前久(さきひさ)は、戦国時代から江戸時代初期にかけての公卿。官位は従一位・関白、左大臣、太政大臣、准三宮。近衛家17代当主。天文23年に関白左大臣となる。また、藤氏長者(とうしのちょうじゃ)〈藤原氏の代表〉に就…

第874話 船頭・小栗重吉

序文・海外見聞録 堀口尚次 小栗重吉〈天明5年 - 嘉永6年〉は、江戸時代後期の船頭である。史上最も長期にわたって漂流した人物として知られている。三河国佐久島〈現・愛知県西尾市〉の百姓・善三郎の次男として誕生。後に尾張国半田村〈現愛知県半田市〉の…

第869話 石田三成の盟友・大谷刑部

序文・白頭巾の武将 堀口尚次 大谷吉継(よしつぐ)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名。豊臣秀吉の家臣で、越前敦賀城主。領地・石高は越前敦賀5万7000石。通称は紀之介、号は白頭。官途(かんと)は刑部少輔(ぎょうぶのしょうゆう)で、大谷刑部…

第864話 プロペラ同調装置

序文・戦闘機の秘策 堀口尚次 「プロペラ同調装置」とは、戦闘機のプロペラの後ろから、そのプロペラを撃ち抜かないように機関銃を発射する装置。第一次世界大戦中にドイツのフォッカー社が開発し、フォッカーE.Iに初めて装備された。フォッカーE.I自体は大…

第861話 中先代・北条時行

序文・北条氏の逆襲 堀口尚次 北条時行は、鎌倉時代末期から南北朝時代の武将。鎌倉幕府最後の得宗(とくそう)・北条高時の遺児。先代の武家の筆頭である高時と室町幕府創始者当代の武家の棟梁である足利尊氏との中間の存在として、中先代(なかせんだい)とも…

第855話 小田原評定

序文・北条早雲なら決断できたか 堀口尚次 小田原評定(ひょうじょう)は、戦国大名の後北条氏(ごほうじょうし)〈本来の氏は「北条」であるが、鎌倉幕府の執権をつとめた北条氏と区別するため、「後」を付して「後北条氏」、相模国小田原の地名から「小田原北…

第854話 凞邦親王伝説

序文・後花園天皇の皇子 堀口尚次 愛知県知多市新知字大内〈名鉄常滑線古見(こみ)駅近く〉に「凞邦(てるくに)親王御塚遺跡」と「煕邦親王記念碑」なるものが存在する。これらは後花園天皇の第3皇子凞邦親王を偲んで造られた塚で、初めは浜辺にあったものを海…

第851話 家康の直轄地だった知多郡〈知多半島〉

序文・家康ゆかりの知多半島 堀口尚次 尾張藩の歴史によると、『関ケ原の戦いの戦功〈先陣〉により徳川家康の四男・松平忠吉が入封〈清州藩、52万石〉する。慶長11年、家康の直轄領であった知多郡〈知多半島〉も忠吉に加増される。しかし慶長12年に忠吉に嗣…

第850話 知多半島の残る「玉姫伝説」の謎

序文・淀殿は大阪城から脱出していた?! 堀口尚次 愛知県知多郡南知多町師崎(もろざき)の延命寺は、京都の市街〈洛中〉と郊外〈洛外〉の景観や風俗を描いた『洛中洛外図屏風』〈延命寺本〉を所有する。これは知多半島水軍の将・稲生重政の戦利品。大坂の陣…

第849話 征韓論

序文・朝鮮侵略 堀口尚次 征韓論は、日本の幕末から明治初期において唱えられた朝鮮侵略論をいい、一般的には、明治6年の対朝鮮論をさすことが多い。 日本では江戸時代後期に、国学や水戸学の一部や吉田松陰らの立場から、古代日本が朝鮮半島に支配権を持っ…

第847話 悲劇の少女「於ふう」

序文・処刑された許嫁 堀口尚次 於(お)ふうは、二代目日近(ひぢか)城主・奥平久兵衛貞友の娘であり、奥平信昌(のぶまさ)〈徳川家康の長女・亀姫の夫〉の前妻で、武田氏へ人質として出されていたが、奥平が徳川方に寝返ったために武田勝頼によって処刑された…

第846話 徳川に従い生き抜いた奥平信昌

序文・今川→武田→徳川 堀口尚次 奥平信昌は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将、大名。上野小幡藩初代藩主、後に美濃加納藩初代藩主。徳川家康の長女・亀姫を正室とし、家康に娘婿として重用された。三河国作手(つくで)の有力国人・奥平貞能(さだよし…

第840話 三法師こと織田秀信の生涯

序文・秀吉に翻弄された信長の孫 堀口尚次 織田秀信は、安土桃山時代から江戸時代にかけての武将、キリシタン大名。織田信忠の嫡男、織田信長の嫡孫。岐阜城主。織田政権三代当主。官位は正三位中納言で岐阜中納言とも呼ばれた。 天正8年、織田信忠の長子と…

第838話 鼠小僧

序文・義賊伝説 堀口尚次 鼠小僧こと次郎吉(じろきち)は、江戸時代後期の盗賊。 鼠小僧次郎吉として知られる。大名屋敷のみを狙って盗みに入り、人を疵つけることもなかったことから、後世に義賊〈国家や領主などの権力者からは犯罪者とされながらも、大衆か…

第834話 青い目のサムライ

序文・旗本になったアダムズ 堀口尚次 ウィリアム・アダムズは、サムライの称号を得た最初の外国人だった。江戸時代初期に徳川家康に外交顧問として仕えたイングランド人の航海士、水先案内人、貿易家。日本名は三浦按針(あんじん)。 関ケ原の戦いの約半年前…

第827話 幻の総理大臣・三条暫定内閣

序文・内大臣との兼任 堀口尚次 三条実美(さねとみ)〈天保8年- 明治24年〉は、日本の公卿、政治家。三条家31代。位階勲等爵位は、正一位大勲位侯爵。 幕末には尊皇攘夷・討幕派の中心的な人物であり、明治維新後は元勲の一人として右大臣、太政大臣、内大臣…

第824話 信長の三男・織田信孝

序文・血統の宿命 堀口尚次 織田信孝(のぶたか)は、安土桃山時代の武将、大名。織田信長の三男。伊勢国北部を支配していた豪族〈国衆〉神戸氏の養子となってこれを継いだため、神戸(かんべ)信孝(のぶたか)とも名乗った。 清須会議が開かれるが、信雄(のぶか…

第822話 有力守護大名・斯波氏の家格と末路

序文・驕れる者は久しからず 堀口尚次 斯波高経(しばたかつね)は、南北朝時代の武将、守護大名。越前・若狭・越中守護。足利氏の有力一門・斯波氏〈足利尾張守家〉4代当主。なお、高経自身はその存命中に斯波姓を自称したことも他称されたことも無く、足利氏…

第815話 杉山和一の功績

序文・献身的な施術 堀口尚次 杉山和一(わいち)〈慶長15年 - 元禄7年〉は、伊勢国安濃津〈現在の三重県津市〉出身の鍼灸師(しんきゅうし)。検校(けんぎょう)〈盲官=盲人の役職 の最高位の名称〉であることから「杉山検校」とも称される。鍼(はり)を管(くだ)…

第805話 改易流配の家康六男・松平忠輝

序文・家康に嫌われてしまった 堀口尚次 松平忠輝は、安土桃山時代から江戸時代にかけての大名。文禄元年に徳川家康の六男〈庶子=正室以外の子〉として誕生した。側室の生母・茶阿局(ちゃあのつぼね)の身分が低いため、下野栃木城主で3万5,000石の大名であ…

第804話 秀吉に翻弄された妹・朝日姫

序文・戦国大名の身内女性の宿命 堀口尚次 朝日姫 / 旭姫は、戦国時代から安土桃山時代にかけての女性。豊臣秀吉の異父妹とされるが、同父妹とする指摘もある。徳川家康の正室〈継室〉。名は旭といわれる。家康との結婚後は駿河御前と呼ばれ、死後は法名の南…