ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

第345話 門前の小僧習わぬ経を読む

序文・犬も歩けば棒に当たる 堀口尚次 「門前の小僧習わぬ経を読む」は『いろはかるた』であり、ことわざを使っているが、内容は江戸、京都・大阪など上方、尾張などで各々異なっている。この場合〈『も』のいろはかるた〉は、「門前の小僧習わぬ経を読む」…

第344話 庚午事変・稲田騒動

序文・明治になってもまだ切腹刑はあった 堀口尚次 庚午(こうご)事変は、明治3年に当時の徳島藩淡路洲本城下で洲本在住の蜂須賀家臣の武士が、筆頭家老稲田邦植の別邸や学問所などを襲った事件。稲田騒動とも呼ばれる。結果的に淡路島の帰属をめぐる重要な事…

第343話 謀反の疑い・源範頼

序文・ここにもまた頼朝の犠牲となった兄弟が 堀口尚次 源範頼(のりより)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武将。河内源氏の流れを汲む源義朝の六男。源頼朝の異母弟で、源義経の異母兄。 遠江(とおとうみ)国蒲御厨(かばのみくりや)〈現・静岡県浜…

第342話 岐阜大仏と三重塔

序文・珍しい張りぼての大仏 堀口尚次 5月19日㈭に岐阜に住む会社OBに所用で会うついでに、近くの岐阜大仏と三重塔を二人で観てきました。私たちは、大仏殿に行く前に近くの「岐阜善光寺」「伊奈波(いなば)神社」に立ち寄り、参拝をすませました。 岐阜大…

第341話 愛知航空機と稲永スリップ跡

序文・名古屋市に現存する戦争遺構 堀口尚次 愛知航空機は過去に存在した日本の航空機メーカーにして、現在の日産自動車系自動車部品メーカー愛知機械工業の前身である。日本海軍向けの攻撃機、爆撃機、水上機等を製造した。 親会社の「愛知時計製造」は明治…

第340話 千里眼事件

序文・超能力者の存在 堀口尚次 念力〈サイコキネシス〉とは、超能力の一つで、意思の力だけで物体を動かす能力のこと。日本では、SFで知られた概念だったが、ユリ・ゲラーが1974年に来日した時に特集番組のテレビカメラの前でスプーン曲げを行い全国に放送…

第339話 静御前の伝説

序文・謎が多い白拍子 堀口尚次 静御前〈生没年不詳〉は、平安時代末期から鎌倉時代初期の女性白拍子。母は白拍子の磯禅師。源義経の妾。 『吾妻鏡』によれば、源平合戦後、兄の源頼朝と対立した義経が京を落ちて九州へ向かう際に同行するが、義経の船団は嵐…

第338話 明治用水と神社

序文・先人が築いた近代農業用水 堀口尚次 大規模な漏水で問題となっている明治用水は、西三河地方南西部に農業用、工業用の水を供給する用水である。幕末・明治維新期に、全国に先駆けて測量・開削が行われた近代農業用水だったため、明治という元号を冠する…

第337話 弁慶の立往生

序文・元は比叡山の僧侶 堀口尚次 武蔵坊弁慶は、平安時代末期の僧衆〈僧兵〉。源義経の郎党。 『義経記』では熊野別当の子で、紀伊国出身だと言われるが詳細は不明。元は比叡山の僧で武術を好み、五条の大橋で義経と出会って以来、郎党として彼に最後まで仕…

第336話 渥美半島の鉄道の歴史と吉田城址と田原城址

序文・豊橋鉄道と城址を巡る 堀口尚次 4月22日に、愛知県豊橋市の豊橋鉄道の市電に乗りに行ってきた。その時に吉田城址へ立ち寄った。池田輝政の居城としても知られ、幕藩体制の下で吉田城に三河吉田藩の藩庁が置かれた。江戸幕府の老中・大坂城代・京都所司…

第335話 常念狸塚

序文・散策から探索へ 堀口尚次 先日愛知県弥富市を散策し、お寺・お堂・神社・祠・史跡・石碑等を訪ね歩いた時に、意味不明な石碑を発見した。一つは個人宅っぽい敷地の道路に面した位置にあり「常念狸塚」と刻まれていた。お寺や神社の敷地でもないので何…

第334話 徳川家康の古巣をたどる

序文・厭離穢土 欣求浄土 堀口尚次 5月17日㈫に、愛知県岡崎方面へ一人旅ドライブに出かけた。第一目的地の大樹寺は、岡崎市鴨田町にある浄土宗の古刹で、徳川氏〈松平氏〉の菩提寺であり、歴代当主の墓や歴代将軍の位牌が安置されている。 寺の言い伝えによ…

第333話 炭坑節

序文・サノヨイヨイ 堀口尚次 炭坑節は、福岡県に伝わる民謡である。現在の田川市が発祥といわれる。 もともとは炭坑労働者によって唄われた民謡『伊田場打選炭唄』が原曲で、「月が出た出た月が出た、ヨイヨイ」の一節で知られる。もともとは盆踊り唄ではな…

第332話 堀直虎の義

序文・諫死という選択 堀口尚次 堀直虎は、江戸時代末期〈幕末〉の大名。信濃須坂藩の第13代藩主。信濃須坂家13代。1万石の小藩であり、しかも外様大名でありながら譜代大名に準ずる待遇を求めたが受け入れられなかった。しかしながら直虎は、家老ら41人を粛…

第331話 静岡方面ドライブ道中

序文・兵隊木像のあるお寺見学 堀口尚次 5月15日㈰に、親父・兄貴・娘と四人で静岡方面のドライブに出かけました。伊勢湾岸自動車道から東名高速道路へ入り、浜名湖パーキングエリアで休憩し、最初の目的地である浜松市楽器博物館へ到着しました。私がピアノ…

第330話 尾張四観音制覇

序文・巡礼 堀口尚次 尾張四観音は、尾張国の代表的な四つの下記の観音寺、愛知県名古屋市中川区荒子町の荒子観音・愛知県あま市甚目寺の甚目寺観音・愛知県名古屋市守山区竜泉寺の龍泉寺観音・愛知県名古屋市南区笠寺町の笠寺観音を指す言葉である。いずれ…

第329話 仁義を切る

序文・「御控えなすって」 堀口尚次 「仁義を切る」とは、任侠、テキヤ、香具師(やし)、博徒、渡世人(とせいにん)などが初対面の際に交わす挨拶の形式を表現する言葉。「仁義」の元の意義としては、人間の行動規範の根本として孔子の説く博愛を意味する「仁…

第328話 恐れ入谷の鬼子母神

序文・お釈迦様に諭されて 堀口尚次 鬼子母神(きしぼじん)は、仏教を守護する天部の一尊。 夜叉毘沙門天の部下の武将八大夜叉大将の妻で、500人〈一説には千人または1万人〉の子の母であったが、これらの子を育てるだけの栄養をつけるために人間の子を捕えて…

第327話 「白バイ」と「ナナハン」

序文・私はかつて「カワサキ・エルミネーター(400㏄)に乗っていました。 堀口尚次 白バイとは、警察が主に交通取締業務に必要な各種装備を取り付けた白塗りのオートバイの日本での呼称である。 日本の警察のオートバイの中でも、専門の訓練を受けた白バイ…

第326話 安徳天皇の哀れ

序文・諸行無常 堀口尚次 安徳天皇は、第81代天皇〈在位: 1180年3月18日- 1185年4月25日〉。諱(いみな)は言仁(ときひと)。歴代の天皇の中で最も短命だった天皇。戦乱で落命したことが記録されている唯一の天皇である。高倉天皇の第一皇子。母は平清盛の娘の…

第325話 軍歌・戦友

序文・GHQが禁歌指定 堀口尚次 「ここはお國を何百里 /離れてとほき滿洲の /赤い夕陽にてらされて /友は野末(のずゑ)の石の下(した)」の歌詞で始まる軍歌・戦友の口語訳は以下である。 ここは故郷を遠く数百里離れた満州。ここに戦友は眠っている。少…

第324話 池田輝政の居城

序文・木田城から姫路城まで 堀口尚次 池田輝政は永禄7年、織田信長の重臣・池田恒興の次男として尾張国清州で生まれる。 筆者の地元である愛知県東海市大田町城山にあったとされる木田城は、一色左馬之助、荒尾空善〈現在隣町を荒尾町という〉、池田輝政が…

第323話 姥捨て山

序文・悲しい民話伝説 堀口尚次 姥(うば)捨て山は、棄老(きろう)〈老人を山の中などに捨てること〉伝説に材をとった民話。大きく「枝折り型」と「難題型」、それらの複合型に分けられる。法令、口減らしなどのために高齢の親を山に捨てることとなった息子と…

第322話 猩々メッタ

序文・私も叩いて欲しかった 堀口尚次 猩猩(しょうじょう)〈猩々〉は、古典書物に記された架空の動物。能の演目である五番目物の曲名『猩猩』が有名である。真っ赤な能装束で飾った猩々が、酒に浮かれながら舞い謡い、能の印象から転じて大酒家や赤色のもの…

第321話 松下幸之助の水道哲学とダム式経営

序文・文字通りナショナルブランドになった 堀口尚次 松下幸之助1894年〈明治27年〉生まれは、実業家、発明家、著述家。パナソニック〈旧社名:松下電気器具製作所、松下電器製作所、松下電器産業〉を一代で築き上げた経営者である。異名は「経営の神様」。…

第320話 ツベルクリンとBCGの響き

序文・このBCGが目に入らねぇ~か! 堀口尚次 ツベルクリンとは、結核菌感染の診断に用いられる抗原である。日本でのツベルクリン反応検査は、ツベルクリン溶液皮内投与の48時間後の接種部位の発赤の直径を測定して、結核感染を診断する方法で、100年以上…

第319話 名鉄谷汲線と谷汲さんの思い出

序文・廃線と古刹 堀口尚次 私は、愛知県東海市に在住だが、ここは母方の在所の近くであり、父方の在所は、岐阜県揖斐郡大野町になる。したがって幼少の頃〈昭和40年代〉には、お盆などによく岐阜の在所へ連れていってもらった。 乗用車がなかった我が家では…

第318話 愛知用水に捧げられた命

序文・水はあたりまえになかった 堀口尚次 愛知用水は、愛知県の尾張丘陵部から知多半島にかけての一帯に農業用、工業用、上水道用の水を供給する用水である。 大きな河川が無く水不足であった知多半島地域への用水運動が愛知用水誕生の端緒である。水不足を…

第317話 名古屋瑞穂区・堀田界隈散策

序文・名古屋市内史跡巡り 堀口尚次 4月20日に名鉄堀田駅を下車し、その界隈を散策しました。いつものごとく、神社・祠・お寺・お堂・史跡などを訪ね歩きました。 龍泉寺には、源頼朝の産湯の水を汲んだ井戸で「亀井水」いう史跡が残っていた。頼朝の母は熱…

第316話 木曽義仲の嫡男・義高と大姫の運命

序文・源氏同士の争いの犠牲に 堀口尚次 源義仲は、平安時代末期の信濃源氏の武将。河内源氏の一族、源義賢の次男。源頼朝・義経兄弟とは従兄弟にあたる。木曾義仲の名でも知られる。『平家物語』においては朝日将軍〈旭将軍〉と呼ばれている。 以仁王(もち…