ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

第707話 篠島に残る徳川家康伝説

序文・家康と居眠り和尚 堀口尚次 正法(しょうほう)禅寺は、愛知県知多郡南知多町大字篠島字神戸219番地にある曹洞宗の寺院。中興は仙鱗等膳(せんりんとうぜん)和尚。仙鱗等膳が駿河国の駿府で修行していた際、今川義元の人質だった徳川家康を闇に紛れて連れ…

第706話 特別養子縁組の課題

序文・出自を知る権利 堀口尚次 EテレのETV特集で「自分を知りたい 特別養子縁組と“出自(しゅつじ)を知る権利”」を観た。大変奥深い内容であり、法律から抜け落ちた問題点がクローズアップされていた。これを機に、調べてみた。 特別養子縁組とは、児童…

第705話 言葉を紡ぐ

序文・言霊 堀口尚次 5月23日の中日新聞の「中日春秋」に読めない漢字があった。「紡ぐ」だ。早速ネットで検索し「つむぐ」であることがわかったが、いい言葉だ。自分の無智と蒙昧(もうまい)を恥じ入るばかりだが、隠したってしょうがない。学識がないことは…

第704話 日本武尊と源義朝にまつわる伝説

序文・馬が動かなくなったトドメキ橋 堀口尚次 船津(ふなつ)神社は、愛知県東海市名和町に鎮座する神社である。この地は、第12代景行(けいこう)天皇の御子・日本武尊(ヤマトタケルノミコト)ご東征の時、伊勢より海を渡られて、ここに御船をおつけになり、な…

第703話 マッカーサーが作らせた警察予備隊

序文・憲法9条→警察予備隊→自衛隊 堀口尚次 警察予備隊は、日本において昭和25年にGHQのポツダム政令の一つである「警察予備隊令」〈昭和25年政令第260号〉により設置された準軍事組織。昭和27年に保安隊〈現在の陸上自衛隊〉に改組された。 日本の平和と秩…

第702話 初めてイギリスに帰化した日本人・山本音吉

序文・遺灰の帰郷 堀口尚次 山本音吉は、文政2年 - 慶応3年は、江戸時代の水主(すいしゅ)・漂流民。後にはジョン・マシュー・オトソンと名乗った。ロンドンに初めて上陸した日本人とされ、マカオで現存する最古とされる日本語訳の聖書の編纂に関係し、モリソ…

第701話 徳川家康の知多半島での足どり伝説

序文・伝説の域を出ないが歴史ロマン 堀口尚次 天正10年5月21日、駿河拝領の礼のため、信長の招きに応じて降伏した穴山信君とともに居城・安土城を訪れ、大接待を、受けた。この際、秀吉より援軍要請があった信長は自ら出陣することを決めたが、家康もこれに…

第700話 日本一の兵・真田幸村

序文・真田十勇士 堀口尚次 真田信繁(さなだのぶしげ)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将、大名。真田昌行の次男。通称は左衛門佐で、輩行名(はいこうめい)は源二郎〈源次郎〉。真田幸村(ゆきむら)の名で広く知られている。 豊臣方の武将として…

第699話 シャレを言った?織田信長

序文・信長と竹千代の因縁 堀口尚次 那古野(なごや)城〈名古屋城の前身〉の織田信秀〈信長の父〉が岡崎城を攻めようとした時、岡崎城主・松平広忠〈徳川家康の父〉は駿府の今川義元に援軍を要請した。義元は見返りに人質を要求したので、6歳の竹千代〈後の徳…

第698話 於萬の方こと「長勝院」

序文・家康の側室?妾? 堀口尚次 長勝院(ちょうしょういん)〈天文17年 - 元和5年〉は、戦国時代から江戸時代初期にかけての女性。江戸幕府の初代将軍・徳川家康の側室。於萬(おまん)の方、小督局とも。結城秀康〈徳川家康の次男〉の生母。 天文17年、三河国…

第697話 小野田少尉はスパイ教育を受けていた

序文・情報将校 堀口尚次 スパイは、政府や他の組織に雇われて、秘密裏に敵や競争相手の情報を得る人のこと。「spy」は、「espy 〈見つける、探し出す〉」と同じで、古期フランス語で 「espion〈見張る者〉」を意味しており、「espionnage 〈諜報:現代仏語…

第696話 神社の神事からきた「お祓い箱」

序文・古い神札の回収箱 堀口尚次 祓(はらい)は、神道の宗教行為で、天津罪(ああつつみ)・国津罪(くにつつみ)などの罪や穢(けが)れ、災厄などの不浄を心身から取り除くための神事・呪術(じゅじゅつ)である。祓の神事を行うことを、修(しゅ)祓(ばつ)という。 …

第695話 国家公務員の鵜匠

序文・1300年の歴史 堀口尚次 鵜飼い・鵜飼・鵜養は、飼いならした鵜を使ってアユなどを獲る伝統的な漁法。中国や日本などにみられる漁法である。また、日本では平安時代から貴族や武士などが鵜飼見物を行ってきた歴史があり、現代でも各地で観光としての鵜…

第694話 Z旗を揚げてこれに代える

序文・勝利を祈願する 堀口尚次 Z旗(ゼットき)、Z信号旗は、船同士の意思疎通のために用いる国際信号機の1つ。 Z旗はアルファベットの"Z"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は引き船が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号と…

第693話 桶狭間の戦いの落武者伝説②

序文・阿久比町に残る岡戸姓 堀口尚次 筆者の地元・愛知県知多半島東浦町の縣(あがた)神社の立札に以下の説明書きがある。『社宝の氏神面である「翁の面」は、永禄3年桶狭間の合戦後、福住村の住人となった今川方の家臣岡戸祢宜左衛門(ねぎざえもん)が所有し…

第692話 桶狭間の戦いの落武者伝説①

序文・知多半島北部に残る伝説 堀口尚次 筆者の地元愛知県東海市に鎮座する熊野神社のHPに以下の説明があった。『本郷熊野神社は、社格元村社で東海市加木屋町宮ノ脇43番地に鎮座し、地元住民の郷土意識と深く結ばれた氏神さま、産土さまとして親しまれ、…

第691話 青海入道の逸話

序文・池田輝政の家来 堀口尚次 真田十勇士は、戦国時代末期から江戸時代初期にかけての武将で、講談で親しまれた真田幸村〈史実では真田信繁〉に仕えたとされる10人の家臣からなるキャラクターである。あくまで伝承上の架空の人物であるが、歴史的な由来を…

第690話 巴紋

序文・太鼓のイメージ 堀口尚次 巴(ともえ)は、コンマあるいは勾玉(まがたま)のような形をした日本の伝統的な文様の一つ、または、巴を使った紋の総称。巴紋(ともえもん)ともいう。家紋や神紋・寺紋等の紋としても用いられ、太鼓、軒丸瓦(のきまるがわら)な…

第689話 飛べない海鳥・ペンギン

序文・足の関節が固定されている 堀口尚次 ペンギンは、ペンギン目に属する鳥の総称である。ペンギン科のみが現生する。主に南半球に生息する海鳥であり、飛ぶことができない。今では使われることは稀だが、漢字で書くと「人鳥(じんちょう)」「企鵝(きが)〈…

第688話 信長を困らせた花井播磨守信忠の末路

序文・今川と織田の狭間で 堀口尚次 筆者の地元愛知県知多市にある丘で、地元の人が天王山と呼び、山頂には津島神社が祀られている場所がある。そこは、かつて室町時代から戦国時代にかけて、花井氏の堀之内城〈寺本城〉がそびえていた。 堀之内城は別名「寺…

第687話 「手を染めた」のに「足を洗う」

序文・手枷足枷 堀口尚次 「手を染める」は、諸説あるが、この「染める」は「初(そ)める」と同じ語源だという考えがある。「はじめる」という意味で、現代でも「書き初め・お食い初め」などの言葉に残っている。「手」は色々な慣用句に用いられる語で、「手…

第686話 柴又帝釈天

序文・帝釈天で産湯をつかい 堀口尚次 柴又帝釈天(たいしゃくてん)または、帝釈天題経寺(だいきょうじ)は、東京都葛飾区柴又七丁目にあるに日蓮宗の寺院である。正式には経栄山(きょうえいざん)題経寺と号する。「帝釈天」とは本来の意味では仏教の守護神で…

第685話 河豚計画の頓挫

序文・美味だが猛毒を持つ 堀口尚次 河豚(ふぐ)計画とは、昭和5年代に日本で進められた、ユダヤ難民の移住計画である。昭和9年に鮎川儀介〈実業家・政治家〉が提唱した計画に始まるとされ、昭和13年の五相(ごしょう)会議で政府の方針として定まった。実務面…

第684話 家康が発祥の「生せんべい」

序文・知多半島は家康伝説の宝庫 堀口尚次 総本家田中屋のホームページに「生せんべい物語」として以下の記述がありました。 『永禄三年、桶狭間の戦いで今川義元に加勢した徳川家康は織田信長勢に押され、やむなく母〈伝通院〉のいる坂部城〈今の知多郡阿久…

第683話 里帰りした幻の戦車

序文・生きかえった遺品 堀口尚次 インターネットで『九五式軽戦車は日本陸軍が1935年に採用した小型の戦車で、日本の戦車としては最も多い2300台以上が生産された。しかし、これまで日本には1台も残されていなかった“幻の戦車”だ。』という記事を見たので…

第682話 虚無僧

序文・禅宗の僧侶 堀口尚次 虚無僧(こむそう)とは、禅宗の一派である普化(ふけ)宗の僧のこと。 普化宗は唐の普化を祖とし、日本には臨済宗の僧心地覚心(しんちかくちん)が南宋に渡り、普化の法系の張参に竹管吹簫(ちくかんすいしょう)の奥義を受け、張参の弟…

第681話 百官名と東百官

序文・武士のステータス 堀口尚次 百官名(ひゃっかんな)は仮名(けみょう)の一種。家系や親、本人の官職名を用いるもの。 鎌倉時代より朝廷が儀式や法会の資金を調達するため、金銭と引き換えにして衛府(えふ)や馬寮(めりょう)の三等官〈尉(い)、允(じょう)〉…

第680話 荼枳尼天と稲荷神社

序文・お稲荷さん 堀口尚次 荼枳尼天(だきにてん)は、仏教の神〈天〉。夜叉の一種とされる。 「荼枳尼」という名は梵語のダーキニーを音訳したものである。また、荼吉尼天、吒枳尼天とも漢字表記し、吒天(だてん)とも呼ばれる。荼枳尼“天”とは日本特有の呼び…

第679話 窓際族ならまだましだった

序文・年功序列終身雇用の崩壊 堀口尚次 窓際族とは、日本の職場においてか閑職に追いやられた、余剰の社員・職員を指す言葉。安定成長期で円高不況時であった1977年6月の北海道新聞のコラムで製造ラインの管理職から外れて仕事も与えられず窓際に追いやられ…

第678話 御器所八幡宮と医王山神宮寺

序文・神仏混淆の名残 堀口尚次 御器所八幡宮は愛知県名古屋市昭和区御器所四丁目に鎮座する神社〈八幡宮〉。熱田神宮の鬼門を鎮護するため仁明天皇勅願社として鎮座されたとの言い伝えがあり、9世紀初頭の創建とも考えられるが、創建年代は不明としている。…