ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

その他

第781話 ジェロニモは酋長ではない

序文・アメリカ先住民 堀口尚次 ジェロニモは、メイティブ・アメリカン、アパッチ族のシャーマン、対白人抵抗戦である「アパッチ戦争」に身を投じた戦士。本名はゴヤスレイ。なお、部族の酋長(しゅうちょう)と誤解されている例も多いが、実際は酋長ではなく…

第777話 将棋からきた「成金」

序文・なぜ「ネガティブ・イメージ」になったのか? 堀口尚次 成金(なりきん)とは、将棋において低位の駒が金将に成駒(なりごま)することになぞらえ、急激に富裕になった人〈ヌーヴォーリシュ〉を表す。日本語で、また成り上がり者、出来星(できぼし)とも呼…

第773話 風が吹けば桶屋が儲かる

序文・世の中の繋がり 堀口尚次 風が吹けば桶屋が儲かるとは、日本語のことわざで、ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩えである。また現代では、その論証に用いられる例が突飛であるゆえに、「可能性…

第769話 朝鮮半島離散家族問題の責任

序文・民族分断の悲劇 堀口尚次 離散家族とは、家族問題(家庭問題)で散り散りになった家族を意味する言葉である。機能不全家族の一種でもあり、一家離散とも称されるが、朝鮮半島の南北分断の結果、大韓民国〈韓国〉と朝鮮民主主義人民共和国〈北朝鮮〉と…

第768話 利益相反

序文・癒着の温床 堀口尚次 ビッグモーターの保険金不正請求疑惑に端を発し、様々な問題が浮上しているが、損害保険会社と保険代理店の関係に根本原因が潜んでいるようだ。 利益相反とは、信任を得て職務を行う地位にある人物〈政治家、企業経営者、弁護士、…

第766話 秋葉原「あきはばら・あきばはら」

序文・秋葉神社と勘違い 堀口尚次 秋葉原は、東京都千代田区の秋葉原駅周辺、主として東京都千代田区外神田・神田佐久間町および台東区秋葉原周辺を指す地名である。 第二次世界大戦後の日本において、秋葉原は闇市として発展した。その後、高度経済成長とと…

第765話 ドッペルゲンガー

序文・自己像幻視 堀口尚次 ドッペルゲンガーとは、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種で、「自己像幻視」とも呼ばれる現象である。自分とそっくりの姿をした分身。第2の自我、精霊の類。同じ人物が同時に別の場所〈複数の場合もある〉に姿を現す現象を指す…

第764話 北アイルランド問題

序文・カトリックの教派分離が発端 堀口尚次 北アイルランド問題は、北アイルランドの領有を巡るイギリスとアイルランドの領土問題、地域紛争の総称である。1960年代後半に始まり、解釈によっては1997年から2007年の間に終了したと考えられている。英愛では…

第761話 トヨタ・2000GTはヤマハ製?!

序文・幻のスポーツカーの生い立ち 堀口尚次 2000GTは、トヨタ自動車工業〈現トヨタ自動車〉とヤマハ発動機が共同開発したスポーツカーである。ヤマハ発動機に生産委託され、1967年から1970年までトヨタブランドで販売された。型式は「MF10」と「MF10L」。 2…

第759話 かんぽ生命から生まれたラジオ体操

序文・今年で95歳 堀口尚次 ラジオ体操は、国民の体力向上と健康の保持や増進を目的とした一般向けの体操、または、その体操用音楽をピアノ伴奏にのせて指導を行うラジオ番組。 昭和3年8月1日から1か月間、日曜を除く毎朝6:00から、社団法人日本放送協会大阪…

第757話 村八分

序文・葬式と火事以外 堀口尚次 村八分とは、村落〈村社会〉の中で、掟や慣習を破った者に対して課される制裁行為であり、一定の地域に居住する住民が結束して交際を絶つこと〈共同絶交〉である。転じて、地域社会から特定の住民を排斥したり、集団の中で特…

第746話 鳥獣保護管理法

序文・共存共栄 堀口尚次 野生動物の捕獲や飼育は、法律で禁止されていることは周知のことだが、例えばツバメが自宅の軒下に巣を作り卵を産んだとして、その巣を卵ごと破壊した場合は法律により罰せられるなど、まだまだ知らないケースがあることがわかった…

第744話 パチンコの父・正村竹一

序文・みんなで仲良く使うがええがや 堀口尚次 正村竹一は、日本の実業家。パチンコの正村ゲージの考案者。パチンコの父・パチンコの神様・現代パチンコの生みの親と称される。 正村ゲージとは、第二次世界大戦後、名古屋市西区で遊技場を経営していた正村商…

第742話 内水氾濫の脅威

序文・堤防決壊だけが洪水ではない 堀口尚次 国土交通省HPによると、内水氾濫とは以下のこと。 〇概要 雨水が排水施設で川に排水できずに、宅地などにあふれること。 〇求められる行動 大雨が降ると、低い土地などで内水氾濫が発生するおそれがあるため、大…

第738話 高砂や この浦舟に 帆を上げて

序文・昔の結婚披露宴 堀口尚次 『高砂(たかさご)』は、能の作品の一つ。相生(あいおい)の松〈兵庫県高砂市・高砂神社〉によせて夫婦愛と長寿を愛で、人世を言祝ぐ大変めでたい能である。古くは『相生』、『相生松』と呼ばれた。 ワキ、ワキヅレがアイとの問…

第736話 過積載の闇

序文・運送会社と荷主の関係 堀口尚次 過積載とは、貨物自動車に規定の積載重量を超えて貨物を積んで走る法律違反行為。また道路路面や道路構造に損傷を与え、周辺に騒音や震動による交通公害を及ぼす。新交通三悪のひとつ。 構造改革、規制緩和により運輸業…

第733話 サイフォンの原理

序文・摩訶不思議 堀口尚次 サイフォンとは、隙間のない管を利用して、液体をある地点から目的地まで、途中出発地点より高い地点を通って導く装置であり、このメカニズムをサイフォンの原理と呼ぶ。 何らかの液体を、高い位置にある出発地点と低い位置にある…

第729話 シマウマの縞模様のなぞ

序文・大自然の摂理 堀口尚次 シマウマ〈縞馬、斑馬〉は、哺乳綱ウマ目ウマ科ウマ属のうち、白黒の縞模様を持つ系統である。 数種〈現代的な分類では3種〉からなり、それらは単系統であるシマウマ亜属をなす。和名はシマ「ウマ」だが、ウマよりロバの系統と…

第727話 粗にして野だが卑ではない

序文・言動が雑で粗暴であっても決して卑しい行いや態度をとらない 堀口尚次 石田礼助〈明治19年- 昭和53年は、日本の実業家。三井物産代表取締役社長・日本国有鉄道総裁。本名・石田禮(れい)助。 城山三郎の小説『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 …

第726話 控除率=寺銭

序文・寺社の境内が賭博場 堀口尚次 ギャンブルにおける控除率とは、ある賭けに対してどれだけの手数料をとられるかを示す割合。ハウスエッジとも呼ぶ。似た言葉に寺銭(てらせん)があり、これは割合だけでなく一定の手数料、参加料も示す。控除率に対して、…

第723話 尺貫法の名残

序文・尺取り虫の由来 堀口尚次 尺貫法(しゃっかんほう)は、長さ・面積などの単位系の一つで、東南アジアで広く使用されている。尺貫法という名称は、長さの単位に「尺」、質量の単位に「貫」を基本の単位とすることによる。ただし、「貫」は日本独自の単位…

第721話 日本のウヰスキーの父・竹鶴政孝

序文・サントリーとニッカ 堀口尚次 竹鶴政孝は、広島県賀茂郡竹原町〈現・竹原市〉出身の日本の実業家。ウイスキー製造者、技術者。会社経営者。ニッカウヰスキーの創業者であり、サントリーウイスキーの直接的始祖、マルスウイスキーの間接的始祖でもある…

第718話 サインポールの不思議

序文・床屋さん 堀口尚次 サインポールは、理容所を示す細長い円柱形の看板。赤・白・靑の三色の縞模様〈レジメンタル・ストライプ〉が回転する。 語句そのものは和製英語であり、英語ではbarber’s pole または barber pole と呼ばれる。 理容所であることを…

第712話 ノブレス・オブリージュ

序文・高貴な者の定め 堀口尚次 ノブレス・オブリージュとは、日本語で「位高ければ徳高きを要す」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指す。 英語では、ファニー・ケンブルが、1837年の手紙に「……確かに、『貴族が義務を負…

第705話 言葉を紡ぐ

序文・言霊 堀口尚次 5月23日の中日新聞の「中日春秋」に読めない漢字があった。「紡ぐ」だ。早速ネットで検索し「つむぐ」であることがわかったが、いい言葉だ。自分の無智と蒙昧(もうまい)を恥じ入るばかりだが、隠したってしょうがない。学識がないことは…

第695話 国家公務員の鵜匠

序文・1300年の歴史 堀口尚次 鵜飼い・鵜飼・鵜養は、飼いならした鵜を使ってアユなどを獲る伝統的な漁法。中国や日本などにみられる漁法である。また、日本では平安時代から貴族や武士などが鵜飼見物を行ってきた歴史があり、現代でも各地で観光としての鵜…

第690話 巴紋

序文・太鼓のイメージ 堀口尚次 巴(ともえ)は、コンマあるいは勾玉(まがたま)のような形をした日本の伝統的な文様の一つ、または、巴を使った紋の総称。巴紋(ともえもん)ともいう。家紋や神紋・寺紋等の紋としても用いられ、太鼓、軒丸瓦(のきまるがわら)な…

第689話 飛べない海鳥・ペンギン

序文・足の関節が固定されている 堀口尚次 ペンギンは、ペンギン目に属する鳥の総称である。ペンギン科のみが現生する。主に南半球に生息する海鳥であり、飛ぶことができない。今では使われることは稀だが、漢字で書くと「人鳥(じんちょう)」「企鵝(きが)〈…

第687話 「手を染めた」のに「足を洗う」

序文・手枷足枷 堀口尚次 「手を染める」は、諸説あるが、この「染める」は「初(そ)める」と同じ語源だという考えがある。「はじめる」という意味で、現代でも「書き初め・お食い初め」などの言葉に残っている。「手」は色々な慣用句に用いられる語で、「手…

第672話 年季奉公と身請

序文・女性の悲しい歴史 堀口尚次 年季(ねんき)奉公は、雇用者との契約の下に一定期間働く雇用制度の一形態である。多くは住み込みで食糧や日用品は支給されたが、給与は支払われないか、支払われたとしても極く僅かなものだった。かつては世界の多くの国で…