ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第646話 清正公さん

序文・熊本を命名 堀口尚次 加藤清正は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将、大名。肥後熊本藩初代藩主。 通称は虎之助。熊本などでは現代でも、清正公(せいしょうこう)さんと呼ばれて親しまれている〈清正公信仰〉。これは、ひとえに新田開発や治…

第645話 コンクリート像作家・浅野祥雲

序文・ユーモアとリアリティ 堀口尚次 浅野祥雲(しょううん)〈明治24年 - 昭和53年〉は、日本のコンクリート像作家。本名は、浅野高次郎。 明治24年、岐阜県恵那郡坂本町〈現:中津川市〉に生まれる。父親は農業の傍ら、土人形を製作する職人であった。父の…

第644話 人は一代 名は末代

序文・侠客の元祖 堀口尚次 幡随院(ばんずいいん)長兵衛(ちょうべえ)〈元和8年 - 慶安3年、明暦3年とも〉は、江戸時代前期の町人。町奴の頭領で、日本の侠客の元祖ともいわれる。『極付幡随長兵衛』など歌舞伎や講談の題材となった。本名は塚本伊太郎。妻は…

第643話 身代わりになった長益上人

序文・願い事を叶えてくれる靈跡 堀口尚次 愛知県東海市荒尾町にある長益塚とは、長益(ちょうえき)上人を供養する塚のことです。筆者の実家や自宅からも近く、小学生の時の通学路の脇にあったことから、親近感を感じますが、どういう経緯のものなのか分から…

第642話 億兆安撫国威宣揚の御宸翰

序文・国民に対する天皇の言葉 堀口尚次 億兆安撫(おくちょうあんぶ)国威宣揚(こくいせんよう)の御宸翰(ごしんかん)とは、明治元年3月14日、五箇条の御誓文の皇誓(こうせい)に際し、これに附して明治天皇が全国民に対して下した言葉。 五箇条の御誓文が「戊…

第641話 地元〈東海市〉に残る今川落武者伝説

序文・桶狭間に近い東海市 堀口尚次 【今川塚】 愛知県東海市高横須賀長に、桶狭間の合戦で織田信長に敗れた今川義元のお墓と伝えられる供養塔がある。横須賀小学校の東方に「今川さん」と呼ばれる供養塔と、「今川義基墳」と刻まれた碑が建ってる。桶狭間の…

第640話 ちはやぶる神代も聞かず竜田川

序文・からくれなゐに水くゝるとは 堀口尚次 在原業平(ありわらのなりひら)は、平安時代初期から前期にかけての貴族・歌人。平城天皇の孫。官位は従四位上・蔵人頭・右近衛権中将。『日本三大実録』の卒伝に「体貌閑麗(たいぼうかんれい)、放縦不拘(ほうしゅ…

第639話 舞い鶴にぶどうの家紋

序文・尾張藩主と平島村の繋がり 堀口尚次 尾張国知多郡平島村〈愛知県東海市荒尾町〉の庄屋・久米右衛門宅に、尾張の殿様〈徳川御三家筆頭の尾張藩藩主〉が立ち寄ることになった。尾張の殿様の狩猟好きは天下に知られており、隣村の加木屋村の狩場はその御…

第638話 知多半島に残る日本武尊の伝説

序文・ヤマトタケル伝説 堀口尚次 【寝覚の里】 名古屋市緑区大高に「寝覚の里」という史跡があり、立札には以下の様にある。『ここは、日本武尊(やまとたけるのみこと)と宮簀媛命(みやずひめのみこと)が、新婚のひと時を過ごした館があったと伝えられる所で…

第637話 書道の神・小野道風

序文・花札の一枚 堀口尚次 小野道風(おののとうふう)は、平安時代前期から中期にかけての貴族・能書家。参議・小野篁(たかむら)の孫で、大宰大弐・小野葛絃(かずらお)の三男。官位は小四位下・内蔵(くらの)頭(かみ)。それまでの中国的な書風から脱皮して和…

第636話 十五の森伝説

序文・人身御供 堀口尚次 十五の森は、洪水を鎮めるために少女を人柱にした、愛知県春日井市に伝わる民話。 昔、現在の愛知県春日井市松河戸町にあたる地域では、毎年のように庄内川が氾濫していた。明応3年、村人がそのことで氏神の境内で話していると、陰…

第635話 活火山の山号「恐山」

序文・日本三大霊場 堀口尚次 恐山は、下北半島〈青森県〉の中央部に位置する活火山である。カルデラ湖であるの宇曽利山湖(うそりさんこ)の湖畔には、日本三大霊場の一つである恐山菩提寺が存在する。霊場内に温泉が湧き、共同浴場としても利用されている。…

第634話 十王堂にいる奪衣婆

序文・三途の川の番人 堀口尚次 十王堂に祀られているのは勿論十王〈閻魔王など十人の王〉だが、だいたい老婆の様なものも一緒に座っている場合が多い。そこでこの老婆のようなものは何なのか調べてみた。どうやら奪衣婆(だつえば)という老婆の鬼のようだ。 …

第633話 室町幕府最後の将軍・足利義昭

序文・信長との関係 堀口尚次 足利義昭(よしあき)は、室町幕府の第15代〈最後の〉征夷大将軍。織田信長に擁(よう)されて上洛し、第15代将軍に就任した。その後、信長と対立し、武田信玄や朝倉義景、浅井長政らと呼応して信長包囲網を築き上げる。一時は信長…

第632話 人間は考える葦である

序文・パスカルの哲学 堀口尚次 ブレーズ・パスカルは、フランスの哲学者、自然哲学者、物理学者、思想家、数学者、キリスト教神学者、発明家、実業家である。 神童として数多くのエピソードを残した早熟の天才で、その才能は多分野に及んだ。ただし、短命で…

第631話 即身仏

序文・生きながらミイラとなる 堀口尚次 即身仏は、主に日本の仏教〈密教〉に見られる僧侶のミイラのこと。日本の一部地方に見られる民間信仰において、僧は死なず、生死の境を超え弥勒菩薩出世の時まで、衆生救済を目的として永遠の瞑想に入る〈入定〉と考…

第630話 消えた近藤勇の首

序文・岡崎にある首塚伝説 堀口尚次 近藤勇、天保5年- 慶応4年は、江戸時代末期の武士。新選組局長。後に幕臣に取り立てられ、甲陽鎮撫隊隊長。 新政府軍は流山に集結した新選組が背後を襲う計画を知り、近藤を捕縛する。近藤捕縛は史料により状況が異なり、…

第629話 財政再建の神様・山田方谷

序文・尽己 堀口尚次 山田方谷(ほうこく)は、幕末期の儒家・陽明学者、備中松山藩士。江戸時代の藩財政の立て直しで有名なのは、米沢藩の上杉鷹山だが、鷹山は藩主主導で50年以上をかけて取り組んでいるが、山田方谷の藩政改革は、10万両〈約600憶〉の借金…

第628話 高野山にある織田信長の墓

序文・真言密教の聖地 堀口尚次 筆者の母親は短歌が趣味で、以前に和歌山県の真言宗の総本山・高野山を訪れた時に「この山を 焼き討ちしたる 信長を 共に弔う 奥の院墓所」という歌を詠んでいる。高野山の奥の院には、名だたる戦国武将の墓があるが、織田信…

第627話 知多四国霊場

序文・お大師様と同行二人 堀口尚次 知多四国霊場または知多四国八十八ヶ所は、愛知県の知多半島にある地四国(ちしこく)〈地元の人が四国八十八カ所霊場を模して行う霊場巡礼〉。弘法大師〈空海〉にゆかりのある寺院が集まった八十八カ所であり、知多半島を…

第626話 浅野内匠頭と吉良上野介の因縁

序文・外様大名vs高家旗本 堀口尚次 浅野長矩(ながのり)は、江戸城本丸大廊下〈通称松の廊下〉における吉良義央に対する刃傷とそれに続く赤穂事件で広く知られる。浅野長矩は、播磨赤穂藩の第3代藩主。官位は従五位下・内匠頭。官名から浅野内匠頭(たくみの…

第625話 指名打者の賛否

序文・職業野球 堀口尚次 指名打者とは、米国メジャーリーグの公式ルールや日本の公認野球規則などにもとづき、野球の試合において攻撃時に投手に代わって打者に立つ、攻撃専門の選手のことをいう。DHともいう。 指名打者は守備位置に一切就かず、本来投手が…

第624話 地元の名君・吉良上野介の黄金堤の伝承

序文・地元としては忠臣蔵の悪役で終わらしたくない 堀口尚次 黄金堤(こがねつつみ)は、愛知県西尾市吉良町にある江戸時代に造られた堤防のことである。元々は「小金堤」という漢字が当てられていた。伝承から別名「一夜堤」と呼ばれ、現在は桜の名所となっ…

第623話 内助の功・見性院

序文・良妻賢母 堀口尚次 見性院(けんしょういん)は、戦国時代から江戸時代にかけての女性で、土佐藩初代藩主山内一豊の正室である。本名は「千代」とも「まつ」ともいわれるが、定かではない。夫に馬を買わせるために大金を差し出した話や、笠の緒文などの…

第622話 傘連判状の趣旨

序文・首謀者を隠す 堀口尚次 傘(からかさ)連判状とは、室町時代から江戸時代にかけて、一揆などで用いられた円環状の署名形式。多数の者が一致団結して約束を誓うとき,円を書き,そのまわりに放射状に署名して花押(かおう) を書いたもので,その署名連判状…

第621話 愛知岐阜の親鸞聖人の足跡

序文・南無阿弥陀仏 堀口尚次 親鸞聖人は、35歳の時に流罪になり越後へ流される。そして40歳で関東へ赴かれ茨城県の稲田に草庵を構え20年間布教に務める。その後京都へ戻られる際に様々な土地に立ち寄り説法を行っている。今回は、愛知県岐阜県に関して、そ…

第620話 日本人移民と棄民政策

序文・新天地と銘打って 堀口尚次 日本では20世紀の両大戦の前後の一定の時期に、特に人口増加の解決策のひとつとして移民が奨励された。明治元年にハワイ王国のサトウキビプランテーションに移民が渡り「元年者(がんねんもの)」と呼ばれた。駐日ハワイ総領…

第619話 小売業の黒船到来のその後

序文・規模だけでは凌駕できなかった 堀口尚次 ウォルマートは、アメリカ合衆国アーカンソー州に本部を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、売上額で世界最大の企業である。ウォルトン一族による同族経営企業〈ファミリー・ビジネス〉として知…

第618話 沖縄返還の裏に潜む密約

序文・国家機密との闘い 堀口尚次 西山事件は、1971年の沖縄返還協定について、新聞記者らが取材で知り得た機密情報を国会議員に漏洩し、国家公務員違反により最高裁判所で有罪判決が確定した事件である。別名、沖縄密約事件、外務省機密漏洩事件。 第三次佐…

第617話 コンピューター付きブルドーザー田中角栄

序文・ま~この~ 堀口尚次 田中角栄、大正7年 - 平成5年は、日本の政治家・実業家・建築士。 血液型はB型。 衆議院議員、郵政大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、自由民主党総裁、内閣総理大臣を歴任した。自民党内最大派閥の田中派を率い、日本列島改造論を計…